独立へ向けた正しい会社の辞め方（開業準備９）
こんにちは。ソシオネット営業部Nです。フリーランスになるために会社を辞めるのであれば、辞め方もスマートに行いたいものです。ここでは会社を退職するときのちょっとした心がけや注意点を解説します。
■会社のノウハウを吸収してから辞める
独立をするのであれば、日頃から上司や先輩の知識と経験を貪欲に吸収して、120％の力で業務に取り組み、自分の専門領域のスキル、知識、人脈、経験を最大限に磨いておくことが求められます。そもそも自分を磨く意識が低く、一日中パソコンの前に座っていることが会社員の仕事だと思っているような人は、フリーランスに向いていません。
また、専門領域だけではなく、会社には多くの職種があって、それぞれ異なる役割を果たしながら会社を機能させています。独立すると、そのさまざまな役割を自分ひとりでこなさないといけませんので、経理、人事、法務、営業、マーケティングなど、自分の本業に関係なさそうなことであっても、会社にいるうちに盗めるものがあったら積極的に盗んでおくと、あとあと役に立ちます。もちろん社外秘の資料を持ち出すのは違法ですが、ノウハウを「学ぶ」ことは自由であり、後ろめたさを感じる必要もありません。
■名刺はあなたの財産。かならず控えておく
会社員時代に交換した名刺の束は人脈の結晶です。起業後も必ず役に立つ日がきます。
ただし、厳密に言えば業務上交換した名刺は会社の財産になるので、持ち帰らないように指示されることもあります。退職の準備をしているときに、必ず上司に確認するようにしましょう。
もし名刺を会社に置いておくように指示された場合は、退職する日までにコピーを取るなり、名刺読み取りアプリで電子化するなりして、データをあなたの手元に保管しておけばOKです。当たり前ですが、そのバックアップ作業を会社で行っていると怒られますので、自宅でコツコツ作業をするように。
■退職のタイミングと注意点
民法上では2週間前に申し出ればどんな事情があっても退職ができることになっていますが、大半の会社の就業規定では１カ月前となっているので、改めてそれを確認する必要があります。民法の方が優位に決まっているだろうという考え方もありますが、入社時に就業規定に同意をしているはずなので、基本的には会社の規定に沿うべきです。ちなみに自主退職のときに提出するのは「退職願」（か「退職届」）。「辞表」はエラい人がそのポジションを辞するときのものなのでお間違えのないように。
と、ここまでは形式上の話であって、実際に１カ月前に退職を申し出ると、上司からは「こんな忙しいときに辞めるのか」などと説得されることが多いでしょう。本来であれば（会社が従業員を解雇する権利があるように）会社を辞めることも従業員の権利なので、上司の嘆願に従う必要はまったくないのですが、もし気持ちよく退職したいのであれば、３ヶ月前など、早めに報告をするのが一番いいかもしれません。3ヶ月あれば上司も人の補充や引継ぎに関して“心のゆとり”ができるからです。
なお、自主退職ではなく会社から解雇される場合の注意点としては、自分から「退職願」を出すのではなく、会社側から「解雇通告書」をもらってください（ブラック企業は平気で「退職願」を要求してきます）。また、離職票の退職理由の欄には「自己都合」ではなく「会社都合」と書いてあることもあわせて確認してください。退職願を出してしまうと自主退職の扱いになるので、退職金の交渉や失業保険の受給条件で不利になります。
また、契約社員が会社を辞めたい場合も注意点があります。契約社員にも当然、就業規定がありますが、原則的に契約の途中解約はできないケースがほとんどです。「起業したいので辞めます」という理由ではまったく正当性がないので損害賠償を請求されるケースもあり、基本的に満期終了まで働く必要があります。
次回は、「フリーランスの生命線「人脈」の広げ方」についての投稿です。どうぞご期待ください。
ここでは、「フリーランスの働き方」についての記事をマガジンにまとめました。前回投稿した記事もこちらに掲載しておりますので是非読んでみてください。
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