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お役立ちコラム

【入門編/ 9個で解説】フロントエンドとは

【入門編/ 9個で解説】フロントエンドとは

概略、役割

フロントエンドとは?

フロントエンドとは、システム開発においてユーザーが直接操作する部分を指し、ユーザーの操作性や体験に大きな影響を与える重要な領域です。エンタープライズ・業務系のシステムにおいて、フロントエンドエンジニアは、業務アプリケーションのUI(ユーザーインターフェース)を設計・実装し、業務プロセスの効率化やデータの視認性向上を目指します。HTML、CSS、JavaScriptなどの技術を駆使して、使いやすく直感的に操作できるインターフェースを構築し、エンタープライズ特有の複雑な業務ロジックにも対応できるようデザインをコードに変換します。また、業務システム全体の使い勝手を高め、ユーザーとのスムーズなインタラクションを実現することが求められます。この記事では、エンタープライズ・業務系のフロントエンド開発に特化した視点から、役割や重要性について詳しく解説していきます。

フロントエンドエンジニアの分類

ウェブフロントエンド

エンタープライズ・業務系のウェブアプリケーション開発において、フロントエンドエンジニアはHTML、CSS、JavaScriptを活用し、ブラウザ上で動作する直感的で使いやすいインターフェースを構築します。特に業務システムでは、大量のデータを扱うための操作性や視認性を重視した設計が求められ、効率的な業務処理を支えるフロントエンドが重要です。

モバイルフロントエンド

スマートフォンやタブレット向けに業務アプリケーションのUIを開発するエンジニアは、モバイル特有の操作性やレスポンシブなデザインに対応することが求められます。プラットフォームごとの最適化技術を用いて、現場での利用や外出先からのアクセスが可能な、シームレスな業務体験を提供します。

デスクトップフロントエンド

Windows、macOS、Linuxに対応した業務アプリケーションのGUIを設計・構築するフロントエンドエンジニアは、業務システムの高い操作性や安定性を実現するために、デスクトップ特有の機能を活かしたインターフェースを開発します。大規模なデータ処理や複雑な業務フローに対応する設計が重要で、業務の効率化を支える役割を担っています。

フロントエンドに係る職種と役割の違い

アプリケーションの投稿でも紹介したように、開発には複数の職種が関わります。フロントエンドの場合は、フロントエンドエンジニアとデザイナーという職種が登場しますが、エンタープライス・業務系システムと、HPなどのWEB系システムでは観点が異なります。

今回は、2つの領域ごとのフロントエンドエンジニアとデザイナーについて違いを比較していきましょう。

フロントエンド開発の歴史

フロントエンドの起源

フロントエンド開発の初期段階では、ウェブサイトは静的なHTMLとCSSを使用したシンプルなページが主流で、基本的に情報の閲覧に特化したものでした。エンタープライズ・業務系のシステムでも、社内資料の共有や報告書の閲覧など、限られた機能を提供するための基本的なウェブページが使用されていました。この頃のウェブは、主に情報提供の手段としての役割を果たしており、ユーザーの操作性やインタラクティブな要素はほとんど考慮されていませんでした。

初期の発展

1995年にJavaScriptが登場したことで、ウェブページにインタラクティブな要素を追加できるようになり、フロントエンド開発は大きく進化しました。エンタープライズ分野においても、これにより業務アプリケーションがリアルタイムでのデータ入力や操作をサポートできるようになり、業務効率が飛躍的に向上しました。ユーザーがブラウザ上でボタンをクリックしてリアルタイムに処理を実行するなど、エンタープライズシステムにおける操作性と利便性が大幅に改善されました。

中期の発展

2000年代後半には、ReactやVue.js、AngularといったJavaScriptフレームワークが登場し、特にエンタープライズ・業務系の複雑なシステム開発において強力なツールとなりました。これらのフレームワークは、業務アプリケーションに必要な大量のデータ操作を効率的に処理し、システム全体の機能をスムーズに統合するための柔軟性を提供しました。また、再利用可能なコンポーネントを活用することで、開発効率が向上し、メンテナンスもしやすくなりました。これにより、複雑な業務フローを支えるシステムでも、ユーザーにとって直感的で使いやすいインターフェースを実現できるようになりました。

後期の発展

2010年代に入ると、シングルページアプリケーション(SPA)やレスポンシブデザインが普及し、エンタープライズ・業務系システムでもこれらの技術が採用されるようになりました。SPAの導入により、業務アプリケーションでは、ページ全体のリロードなしでリアルタイムにデータを表示・更新することができ、ユーザー体験がよりスムーズになりました。また、レスポンシブデザインによって、スマートフォンやタブレットからでも業務システムにアクセスできるようになり、業務の柔軟性とモバイル活用が進みました。

現在

現在のエンタープライズ・業務系フロントエンド開発では、React、Vue.js、Angularなどのフレームワークが標準的に使われており、開発効率の向上とコードのメンテナンス性を高める手法として定着しています。さらに、AIや自動化技術の導入が進み、業務プロセスの最適化やコードの品質向上が図られています。例えば、AIによるコード補完やデザイン自動化により、開発者はより迅速に高品質なシステムを構築できるようになり、複雑な業務要件にも柔軟に対応できるようになりました。また、新しいAPIや標準化技術の登場により、ブラウザ上での機能が飛躍的に拡充され、よりリッチで高度な業務アプリケーションの構築が可能となっています。

クライアントが求める人物像

フロントエンドエンジニアには、高度な技術スキルに加えて、プロジェクトを円滑に進めるためのコミュニケーション能力とチームワークが求められます。特に業務システムでは、他のシステムとの連携や大規模なデータ処理が必要となるため、セキュリティ対策やパフォーマンス最適化の知識が重要です。また、ユーザー視点に立った設計ができることも不可欠で、業務効率を向上させる直感的なインターフェースを設計し、エンドユーザーが快適に操作できるシステムを構築する能力が求められます。さらに、要件変更やプロジェクトのスケールに柔軟に対応できる適応力も重要な要素となります。

使用されるソフトウェア・フレームワーク7選

 Visual Studio Code

Visual Studio Codeは軽量で拡張性の高いエディタで、業務系開発においてチームでのコラボレーションが容易です。豊富な拡張機能を活用することで、特定の業務ニーズに合わせたカスタマイズが可能です。リモート開発やデバッグ機能も充実しており、生産性を向上させます。

 GitHub

GitHubはコードのバージョン管理とコラボレーションを強化するプラットフォームで、エンタープライズではコードの共有とレビューが容易になります。CI/CDの統合により、デプロイメントプロセスを自動化し、開発スピードを加速させます。強力なコミュニティサポートも魅力です。
また競合ツールとして課題管理に強みがあると呼ばれるJiraもあります。

 Figma

Figmaはデザインとプロトタイピングをリアルタイムで行えるツールで、業務系アプリケーションのUI/UX設計に最適です。チームメンバーが同時に作業できるため、フィードバックを迅速に反映させることができます。クラウドベースなので、どこからでもアクセス可能です。

 Postman

PostmanはAPIのテストと管理を効率化するツールで、エンタープライズアプリケーションではAPI駆動型開発の重要な役割を果たします。直感的なインターフェースでAPIの呼び出しやレスポンスの確認が容易で、品質保証が向上します。ドキュメント作成機能も充実しています。

 React

Reactはコンポーネントベースのライブラリで、大規模な業務系アプリケーションの開発に最適です。再利用可能なコンポーネントにより、開発効率が向上し、保守性も高まります。エコシステムが充実しており、他のライブラリやツールとの統合が容易です。

 Vue.js

Vue.jsは柔軟性とシンプルさを兼ね備えたフレームワークで、業務系アプリケーションの開発において迅速なプロトタイピングが可能です。既存プロジェクトへの統合が容易で、スケールに応じた開発が実現できます。コミュニティも活発で、サポートが充実しています。

Bootstrap

Bootstrapはレスポンシブデザインを迅速に実現するCSSフレームワークで、業務系アプリケーションのUI構築において標準化と一貫性を保ちやすいです。豊富なコンポーネントとカスタマイズオプションにより、プロトタイピングから本番開発まで効率的に進められます。

代表的な資格7選

基本情報技術者試験

ITの基礎知識やプログラミングスキルを問う国家資格です。エンタープライズ開発では、基礎的な知識を持つことでシステムの全体像を理解し、フロントエンドの要求や制約を考慮した開発が可能になります。

 応用情報技術者試験

ITシステムの設計や管理に関する応用的なスキルを評価する国家資格です。システム全体を把握し、フロントエンドとバックエンドの連携をスムーズに進めるための設計力が養われ、業務系システムの構築に役立ちます。

 JS Institute Certification

JS Institute Certificationは、JavaScriptのスキルを認定する資格で、フロントエンド開発者向けに基礎から応用までの知識を網羅しています。試験はJavaScriptの基本構文から、非同期処理やモジュール管理といった高度なトピックを含み、実務で役立つスキルの証明として評価されます。JavaScriptを中心とした開発環境で働くエンジニアにとって、キャリアアップに役立つ資格です。

AWS認定デベロッパー

AWS上でのアプリケーション開発スキルを認定する資格です。クラウド環境での開発に強く、エンタープライズのフロントエンドでもスケーラブルで高性能なシステムを構築するための基礎を学べます。

 Microsoft認定Azure開発者

Azure環境でのアプリ開発やデプロイに必要なスキルを証明する資格です。特にMicrosoft製品との連携が強みで、企業の既存システムとスムーズに統合できるフロントエンド開発をサポートします。

 Google Cloud Professional

Google Cloud上でのアプリ開発に必要な知識を証明する資格です。大規模データの処理や分析に強く、エンタープライズ向けのフロントエンド開発でも、クラウドの強力なインフラを活用した高いパフォーマンスのアプリケーションが構築できます。

アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験

アジャイル開発手法の基本概念や実践スキルを評価する資格試験です。スクラムやカンバンなどのアジャイル手法を学ぶことで、柔軟なプロジェクト進行が求められるエンタープライズ・業務系システム開発において、迅速な対応や効率的なタスク管理が可能になります。特にチームでの協力を重視する業務系プロジェクトで有効です。

トレンドと未来の展望

新技術の影響と業界への適応 

WebAssemblyやWebXRといった新技術が登場し、ウェブ開発の高度化が進んでいます。WebAssemblyは、ブラウザ上でネイティブアプリ並みの高速処理を可能にし、エンタープライズ向けの複雑なデータ処理やリアルタイム分析のウェブ対応を促進することで、開発効率の向上とコスト削減が期待されます。

WebXRは、VRやARの体験をウェブ上で実現し、製品デザインやトレーニング、リモートコラボレーションなどでの活用が進んでいます。これらの技術は、業務効率化や新しいサービスの提供を支える重要な役割を果たしています。

 まとめ

エンタープライズ・業務系のフロントエンド開発は、業務効率や操作性の向上を目指しながら、常に進化を続けています。複雑な業務要件を支えるためには、HTML、CSS、JavaScriptといった基本技術に加え、ReactやVue.jsなどのフレームワークを活用し、スケーラブルで保守性の高いシステムを構築するスキルが求められます。また新しい技術や業界トレンドに適応し、効率的かつユーザーにとって使いやすいシステムを提供する能力が、今後も求められていくことでしょう。


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