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【入門編/9個で解説】データベースとは?

【入門編/9個で解説】データベースとは?

概略、役割

現代ビジネスにおいて、データベースは不可欠な技術となっています。業務システム、分析ツール、ウェブサービスなど、あらゆる部門でデータを最適な形式で保存し、利用するために構築されます。このデータベースに関わる職種には、いくつかのロールがあり、その役割は大きく異なります。本記事では、データベースに関連する職種を探り、その役割や違いを深掘りします。

データベースとは何か?

データベースは、統一された形式でデータを保存し、変更を受け付けることができるシステムです。グラフ構造化されたデータの利用が強いRDBのような機能を持つシステムから、NoSQLのような形式自体を従来のものと異なる種類まで広く存在します。特にコンピュータシステムの発展と共に、データベースの変容性や抽象化が進む中で、より高機能なデータ管理が可能となっています。

データベースの分類

データベースは大きく分けて下記のような種類に分類されます。

リレーショナルデータベース (RDB) 

表統計型データにより、グラフ構造化された構造のデータを保存する主流的なシステム。SQLがコアとなる。

NoSQLデータベース

ドキュメント型、カラム型、グラフ型など構造化されていないデータの保存に適したシステム。多くのウェブサービスで採用される。

分散データベース

複数ノードによりデータを分散させることで、パフォーマンスとスケーラビリティを大きく向上させたシステム。

職種ごとの役割と違い

データベースに関連する職種には、データベースエンジニア、データベースアーキテクト(DBA)が主要となりますが、実際にはサーバーエンジニア、ITアーキテクトもかかわりが発生します。
これらの職種は、データの設計・管理・運用といった共通の目的を持ちながらも、フォーカスするポイントや業務範囲が異なります。ここでは、各職種の具体的な役割や、それぞれの違いについて解説していきます。

データベースの歴史

現代ビジネスにおいて、データベースは不可欠な技術となっています。業務システム、分析ツール、ウェブサービスなど、あらゆる部門でデータを最適な形式で保存し、利用するために構築されます。このデータベースに関わる職種には、いくつかのロールがあり、その役割は大きく異なります。本記事では、データベースに関連する職種を探り、その役割や違いを深掘りします。

起源

1950年代、磁気テープによるデータ管理が主流でした。その後、IBMが階層型データベースを開発し、大規模システムで採用されました。これが現代のデータベースの基礎となりました。

初期の発展

1970年代にエドガー・F・コッドがリレーショナルデータベース(RDB)を提唱しました。SQLが開発され、OracleやIBM Db2などの商用RDBMSが登場しました。これにより、データの管理がより効率的になりました。

中期の発展

1990年代のインターネットに伴い、大量データ処理やスケーラビリティの課題が顕在化します。そこで分散処理技術が発展し、NoSQLデータベースが登場したことで大量データの処理が可能になりました。またデータウェアハウス(DWH)の概念も定着しますが、普及するのは2000年代以降となります。

後期の発展

2010年代以降、クラウドデータベースが主流になり、AWS、Azure、Google Cloudなどのサービスが普及しました。AIや機械学習と連携するデータベースが登場し、リアルタイム分析の需要が高まりました。

現在のデータベース

2010年代以降、クラウド技術・ビッグデータ・AIの進化により、データベースは急速に発展。AWS、Google Cloud、Azureの普及でオンプレミスからの移行が進み、クラウドDWH(BigQuery, Snowflake)が主流化しました。また、リアルタイム分析ではKafka・Flinkに加えGoogle Dataflowが発展し、AIによるデータベースの自動最適化やブロックチェーンを活用したゼロトラスト型データ管理の研究も進んでいます。

クライアントが求める人物像

ITスキル

データベース関連職種では、製品知識に加え、SQLやデータベース設計、運用、チューニングのスキルが必須 です。また現在では、クラウド環境、コンテナ(Docker、Kubernetes)、CI/CDツール(Jenkins、GitHub Actions)、インフラ自動化(Terraform、Ansible)の知識も重要となっています。これらの技術を活用し、システムの自動化や最適化を進めるスキルが求められます。

問題解決能力

データベースのパフォーマンス劣化やスケーラビリティ問題の特定と解決が求められます。 例えば、SQLチューニング、インデックス最適化、クラウド環境でのレプリケーションやフェイルオーバー設計が必要です。 また、DatadogやPrometheusを活用した監視や、API連携による自動スケール設定も重要です。

データ活用力

データベースの管理だけでなく、BIツール(Tableau、Power BI)によるデータ分析や、AI・機械学習と連携したデータ処理のスキルが求められます。 また、リアルタイムデータストリーミング(Kafka、Flink)や、GDPR・CCPAなどの法規制対応の知識も必要です。 データの適切な活用と保護を両立させるため、データマスキングや暗号化技術の理解も不可欠です。

コミュニケーション能力

データベースは多くの部署と関わるため、チームメンバーや顧客と円滑なコミュニケーションを取る能力が必要です。ビジネス要件を的確に理解し、技術的な内容をわかりやすく伝え、適切な解決策を提案できることが求められます。また、非技術者にも分かりやすく説明できるスキルが、プロジェクトの成功に大きく影響します。

使用されるソフトウェアとフレームワーク7選

RDBMS(リレーショナルデータベース)

RDBMSはデータを表形式で管理し、SQLを用いて操作するデータベース管理のシステムです。エンタープライズ領域で広く採用されており、DBの基礎知識として教材にも使用されています。代表的なRDBMSにはOracle, MySQL (MariaDB), PostgreSQL, Microsoft SQLServerがあり、クラウド環境ではAWS RDSやAzure SQL Databaseなどがあります。

NoSQLデータベース

NoSQLデータベースは、スキーマレスな構造を持ち、スケーラビリティや柔軟なデータ管理を重視するデータベース であり、Webアプリやビッグデータ処理に適している。代表的なNoSQLデータベースにはMongoDB(ドキュメント型)、HBase(カラム指向)、Redis(インメモリ型)があり、用途に応じた選択されます。クラウド環境での分散処理やリアルタイムデータ分析に活用され、近年需要が拡大しています。

Amazon Redshift

Amazon Redshiftは、AWSのフルマネージドDWHで、大規模なデータ分析を高速に処理できる サービスです。SQLベースのスケールアウト機能を備え、BigQueryやSnowflakeと並ぶクラウド分析基盤として利用されています。 AWS GlueやS3と連携し、ETL処理やデータレイク統合を強化できます。

Snowflake

Snowflakeは、AWS・Azure・GCPに対応したクラウドDWHで、マルチクラウド環境で利用可能 です。従量課金モデルと動的スケールアウトにより、コスト効率の高いデータ処理を実現します。 データレイクやBIツール、機械学習プラットフォームとの統合も優れています。

Databricks

Databricksは、Apache Sparkを基盤としたデータレイクとDWHを統合するプラットフォーム です。機械学習やAI分析との連携が強化され、エンタープライズ向けのデータ基盤として成長しています。 大規模データの高度な分析環境に適しています。

SQL標準(ISO/IEC 9075)

SQL標準(ISO/IEC 9075)は、リレーショナルデータベースの統一規格で、MySQLやPostgreSQL、Oracleなどが準拠 しています。ストアドプロシージャやウィンドウ関数などが拡張され、企業システムのデータ移植性と一貫性を支えています。

Hibernate

Hibernateは、Java向けのオープンソースのオブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)フレームワーク であり、データベースとJavaアプリケーションの間のやり取りを効率化します。JPA(Jakarta Persistence API)の仕様に準拠し、SQLを直接記述することなく、Javaのオブジェクトとしてデータを操作できるため、開発の生産性が向上します。 エンタープライズシステムをはじめ、Spring BootなどのJavaフレームワークと併用されることが多く、幅広い分野で活用されています。

代表的な資格7選

情報処理技術者試験 データベーススペシャリスト

日本国内において高い評価を受けている国家資格であり、データベースの設計や運用に関する専門的なスキルを証明する資格 です。エンタープライズ環境での活用が多く、データ管理・最適化に関する知識が求められます。 上位資格として ITストラテジスト(ST) があり、下位資格には 応用情報技術者(AP) があります。

Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate(DP-203)

DP-203は、Azure環境でのデータ基盤の設計・開発・運用スキルを証明する資格 です。Azure Synapse Analytics、Cosmos DB、Azure Data Factoryを活用し、データの統合・変換・分析パイプラインを構築するスキルが求められます。クラウドデータエンジニア向けの資格として、日本市場でも需要が高まっています。また運用管理用の特化として、”Azure Database Administrator Associate”もあります。

AWS Certified Database – Specialty

AWS Certified Database – Specialtyは、AWS環境でのデータベース設計・運用スキルを証明する資格 です。Amazon RDS、DynamoDB、Auroraなど幅広いAWSデータベースサービスに対応 し、それぞれの特性を理解・活用する能力が求められます。上位資格にはAWS Certified Solutions Architect – Professionalがあります。

Oracle Master

Oracle Masterは、Oracle Databaseの運用・管理に関するスキルを証明するRDBMS資格 であり、オンプレミスおよびクラウド環境のデータベース管理に役立ちます。特に最高ランクのGold以上はエンタープライズ向けの高度なスキルを証明する資格として評価されています。SQLの基礎から高度なパフォーマンスチューニング、セキュリティ管理まで幅広くカバーし、企業のデータベース管理者やエンジニアにとって有用です。

OSS-DB

OSS-DBは、オープンソースのリレーショナルデータベース(RDBMS)であるPostgreSQLの知識や運用スキルを証明する資格 です。試験はSilver(基礎レベル)とGold(高度な管理・チューニング)に分かれ、特にGoldは実務レベルのDB管理スキルを求められます。 OSS-DB資格を取得することで、オンプレミスおよびクラウド環境でのPostgreSQLの設計・運用スキルを証明できます。

Databricks Certified Data Engineer Associate

Databricks Certified Data Engineer Associateは、Apache Sparkを基盤としたデータ処理スキルを証明する資格 です。ビッグデータやAI活用が進むエンタープライズ環境でのデータ統合・分析に強みを持ちます。 上位資格として、より高度なスキルを問うDatabricks Certified Data Engineer Professionalがあります。

トレンドと未来の展望

クラウドデータベースと分散データ管理の進化

AWS、Azure、GCPなどのクラウドデータベースが普及し、スケーラビリティやセキュリティが向上 しています。従量課金制によるコスト最適化や、自動バックアップ・高可用性機能が標準化 され、企業の導入が加速しています。また、Google Cloud SpannerやCockroachDBのような分散データベースの採用が拡大し、グローバル企業のデータ管理を強化 しています。

AIとデータベースの融合

AIの進化により、データベースの自動最適化や異常検知が進み、管理負担が軽減 されています。自然言語検索の向上によりSQLの知識がなくてもデータを扱いやすくなり、機械学習によるリアルタイム分析が高度化 しています。自律型データベース(Autonomous Database)の普及により、最適なパフォーマンス調整が自動で行われる ようになっています。

ブロックチェーンとデータセキュリティの強化

分散型台帳技術(DLT)を活用し、データの改ざん防止や透明性の確保が進んでいます。 電子投票やサプライチェーン管理、デジタルアイデンティティの分野での活用が拡大しています。ゼロトラストセキュリティの概念がデータベースにも導入され、企業はコンプライアンス対応やアクセス管理の強化を求められる ようになっています。

クエリ最適化とストレージ技術の革新

インメモリデータベース(Redis、SAP HANA)やカラムナーストレージ技術(BigQuery、Amazon Redshift)により、データ処理速度が大幅に向上 しています。将来的には、量子コンピューティングによるデータ検索の最適化や、新しい圧縮技術によるストレージコスト削減が期待 されています。

まとめ

データベースは、デジタル時代の基盤技術として進化を続けています。各職種が持つ専門知識と役割を活かしながら、セキュリティ、効率性、信頼性を兼ね備えたデータ管理システムを構築することが重要です。


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