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源泉徴収の基礎知識(税務関連2)

源泉徴収の基礎知識(税務関連2)
こんにちは。ソシオネット営業部のNです。前回は、契約報酬の決め方など源泉徴収のコツについてのお話でしたが、今回は、どんな仕事が源泉徴収の対象職業になるかなどの源泉徴収の基礎知識についてのお話です。

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源泉徴収の基礎知識

会社員は毎月の給与から所得税が引かれて年末調整で少しお金がかえってくる、という経験をしているはずですが、フリーランスの場合でも仕事の内容によっては報酬を受け取るたびに所得税が天引きされてしまう同様の制度があります。源泉徴収と呼ばれるこの制度について解説しましょう。

■源泉徴収とは

源泉徴収とは、“お金を稼いだ人が納めるべき所得税”を、支払者が先に徴収して国に納める、つまり、“お金が出る『源泉』から直接徴収する”という徴税制度です。本来は“源泉所得税”だけが対象でしたが、震災後から “復興特別所得税”も併せて源泉徴収されるようになりました(2037年まで)。

フリーランスの場合、源泉徴収の税率は仕事の内容によって多少異なりますが、報酬額が100万円以下の場合は10%の源泉所得税+0.21%の復興特別所得税=10.21%となっています。 源泉徴収は報酬に対していくらという計算なので(経費を考慮していないので)、本来よりも多く所得税を支払っていることになります。国からすれば「所得税の取りこぼしを防ぐために少し多めに預かっておこう」というのが源泉徴収の実体だと考えれば分かりやすいかもしれません。 そのため、フリーランスは1年が終わると支払いを受けたクライアント各社から支払調書をかき集めないといけません。同時に、あらためて源泉徴収“前”の報酬額をもとに経費や各種控除を合算して最終的な所得を計算して、その結果導き出された「本来支払うべき所得税、「先払いしてある源泉所得税の差額を修正する作業をしないと損をします。むしろ、それが“確定申告”の大きな目的でもあるわけです(会社員の場合は年末調整)。

■源泉徴収の対象について

源泉徴収の対象となる仕事は、徴収率とあわせて所得税法で決められています。ちなみに対象にならないと言っても、確定申告を経てあとあと所得税を支払わないといけないので、損得の問題ではありません。

源泉徴収の対象になる仕事の一覧については国税庁のHPでチェックできますが、ここではその代表的なものを一部抜粋しましょう。

源泉徴収の対象となる仕事

  • 原稿料、講演料、デザイン料、指導・コンサル料など

  • 弁護士、司法書士、税理士が受け取る報酬

  • プロスポーツ選手、モデル、外交員・集金人などが受け取る報酬

  • 芸能人が受け取る報酬

  • ホステスやコンパニオンが受け取る報酬

実は、SEやプログラマーの報酬については国税庁の同リストに明確な記載がありません。ただし、SEはシステムをデザインする(またはプロジェクトを手助けするためのコンサルテーションを行う)ので源泉徴収の対象となる可能性が高く、プログラマ(WEBのコーディングも含む)などは対象外になるという解釈が一般的です。

参考ページ:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁 (nta.go.jp)

「解釈」という曖昧さが残るのは、その「解釈」をするのはフリーランス自身ではなく、支払い側である会社だからです。支払い側である会社としては税務署からチェックが入ったときに「なんで源泉徴収をしていないんだ」と突っ込まれて延滞税を払うリスクを避けるため、「個人事業主だから源泉徴収してしまえ」と判断する会社が多く存在します

フリーランスの側とすれば、会社によって源泉徴収をされたりされなかったりで不安になるかもしれませんが、しっかり確定申告をしている限り「損をする」ことはありませんし、万が一、源泉徴収されるべき所得税が引かれていなかったとしても、フリーランス側が延滞金を払うような罰則はありませんのでご安心ください。

■外注のフリーランスに支払いをする場合は?

フリーランスである自分が外注のフリーランスを使って報酬を支払うケースも当然あります。そういった場合、フリーランスでも源泉徴収をしないといけないのでしょうか?

結論としては、支払い側がひとりで事業を営んでいるフリーランスであれば、源泉徴収をする必要はありません。(支払調書も発行する必要はありません) 源泉徴収をしないといけないのは「源泉徴収義務者」だけであり、フリーランスの場合では従業員を雇って毎月給与を払っているような人が「源泉徴収義務者」に該当します。 源泉徴収をした支払者は、税務署で「所得税徴収高計算書」を入手し、支払いをした月の翌10日までに最寄りの金融機関にて「預かった所得税」を納付し、さらに年度末に「支払調書」を税務署と受取人宛に発行しないといけません。

源泉徴収について調べると、色々なところで記事が書かれていると思いますが、ここでの記事の情報がお役に立てれば何よりです。次回は「青色申告」についてのお話です。どうぞご期待ください。


ここでは、「フリーランスの働き方」についての記事をマガジンにまとめました。前回投稿した記事もこちらに掲載しておりますので是非読んでみてください。

https://note.com/socionet/m/md6eef423dba6

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